日本の音楽産業はそれまでの不振を脱し、年に十何曲もミリオンセラーを出す好況に沸いていました。
そして、それらのヒット曲を作る最大の要因が、「タイアップ」と「カラオケ」であるとされました。
カラオケは、それまで演歌ファンだけのものだったのが、カラオケボックスという業態が全国に広まったことにより、老若男女を問わない娯楽として定着していたのです。
そんな活況を呈していたカラオケ産業、そして当時「マルチメディアの最先端」とされていた(?)通信カラオケに、多くの業者が参入しました。
以前からカラオケを作っていた業者も、通信カラオケで初めてカラオケを作った業者も含めて。
'92年〜'95年にかけて、以下のような業者が通信カラオケに参入し、しのぎを削っていました。
※マイナーだったなどの理由で、上表に記載していない機種があります。
しかし、'90年代後半になると、CDの売り上げもだいぶ落ち着いてきて、そしてカラオケに飽きる人たちも出てきたりして、カラオケ産業も一時ほどの勢いがなくなってきました。
儲けが少なくなって、低迷していたカラオケメーカー各社。
そんなカラオケメーカーを救ったのは、一つは「着メロ」でした。
着メロは、ヒット曲を40〜64和音でMIDIに打ち込んで作られます。
これは通信カラオケにおける音の作り方とほぼ同じです。
しかも通信カラオケメーカーは、ヒット曲をMIDI化したデータと、MIDI化するノウハウを持っています。
というわけで、カラオケメーカーの多くは着メロに進出し、それで多くの利益を上げました。
着メロブームにうまく乗ったメーカーが、勢いを取り戻したと言えます。
(中にはカラオケをやめて着メロ専業になったメーカーもありましたが)
逆に、着メロブームに乗れなかったメーカーは、低迷を続けました。
もう一つ、カラオケメーカーを救ったのは「ブロードバンド」。
これについては、前回解説したとおりです。
'90年代にしのぎを削っていた各社は、
21世紀に入ってから撤退、合併、買収などが進んで、
現在は以下の3社だけになっています。
で、現在はカラオケ産業は、'90年代後半の低迷と比べるとちょっとは回復しています。
ただし、それはカラオケに対する需要が回復したということではありません。
機器メーカーは上で述べたように淘汰されて3社だけになりました。
またボックスなどを運営する業者も、中小業者が少なくなって大手チェーン店が増えています。
つまり、大きくなったわけではない市場規模を奪い合う業者が少なくなっただけだと言えます。

