HyperJOY WAVEの「うたスキ」でやってる「リアルタイムリクエスト」。カラオケに入れて欲しい曲をリクエストで決めるのですが、残念ながらカラオケファンが歌いたいすべての曲が、著作権などの理由で、カラオケにできるわけではありません。
そこで「曲の対応状況を確認」というコーナーがあり、「状態で絞り込み」欄で「ごめんなさい」を選択すると、「権利上やカラオケシステム仕様上の制限等の事情により」カラオケにできない曲がリストにズラリと並びます。
ここでいう「ごめんなさい」曲とは、「カラオケにできない曲」、特に「アーティスト本人の意向によりカラオケにできない曲」をいいます。
「ごめんなさい」曲の中でも代表的なのが、Hi-STANDARD。活動停止から数年たった今もなお、カリスマ性を失わないパンクバンドです。
彼らは、「カラオケ拒否」の姿勢を明確に表明しています。Wikipediaの「Hi-STANDARD」の項目にも、以下のようにあります。
彼らの楽曲は一部を除いてほとんどカラオケに収録されていない。これは、「カラオケで歌うぐらいなら、友達とバンドを組め」という難波の意向によるものである。
また、彼らの所属レーベル・PIZZA OF DEATHのスタッフも、以下のように書いています。
ピザの多くのバンドは着うたも着メロもカラオケもお断りです。(中略)
例えば、カラオケでハイスタとかってどぉ〜なのよ?いやいやいや、ピザのバンドの曲をカラオケで歌いたいっていうキッズがいるのはよ〜く知ってるし、俺も普通のキッズだったら「じゅうっそぉうっ!」とか歌いたかったりするかもしれない。でも、ピザは結構なプライドを持ってみんなに音を届けてるわけで、そんな俺らからするとカラオケで他の部屋から“あーいぅおーんふぉげぇぇ〜”とか聴こえてきた日にやぁもう確実に萎えですよ。そりゃあ盛り上がるかもしれないよ?でもその盛り上がりはライブに比べると確実にやすい、やす過ぎる。
※その後、Hi-STANDARDの着うたの配信とiTunesなどでのPC向け配信は許可されました。ただし相変わらずカラオケは許可されていません。
どうやら彼らは、通信カラオケの構造的な弱点である、MIDI音源によって「ショボい音」にされてしまうことを嫌っているようです。
そして、このスタッフの言葉を裏付けるように、前述の「うたスキ」の「ごめんなさい」リストには、Hi-STANDARD以外にも、ASPARAGUS、Ken Yokoyama、Hawaiian6など、PIZZA OF DEATHレーベルのアーティストたちが並んでいます。
なのに、今なおカラオケでHi-STANDARDの曲を探しては、「ない〜〜!orz」となってるファンが後を絶ちません。もちろん、本人が拒否しているなんてことは全く知らず。
私の意見ですが、アーティストが「カラオケ拒否」の意向を持つことは、寂しいことだけど、それ自体には問題はありません。
ただ問題は、ファンがその「アーティストの意向」を知る機会が十分にないことです。
ファンがその「意向」に納得できないなら、たとえば署名運動でも起こして、アーティストにその「意向」を撤回してもらうよう働きかけてもいいのです。もちろん、ファンである以上「アーティストの意向」にはとにかく従うべきという考え方もあるでしょう。ファンがその「アーティストの意向」を知って、ファンが各自で考えて、それで初めてファン同士で、そしてファンとアーティストの間で「議論」が成立するのです。
今は、ファンがその「意向」を十分に知る機会がないから、ただ「アーティストの意向」が一方的に押しつけられているだけです。そして「意向」を知らないファンは、いまだにカラオケで彼らの曲を探し続けている。これは、ファンとアーティストの関係として、健全とは言えないのでは?
私の近所のTSUTAYAでは、「Def Techの作品は、インディーズにつきレンタル禁止です」という張り紙がされています。
これと同じように、たとえば歌本やデンモクで「Hi-STANDARD」を引くと、「このアーティストの曲は、本人の意向によりカラオケにできません」などと出るようにはできないのでしょうか?そうしないと、ファンにその「意向」は伝わらないのではないでしょうか。

